長いスランプの原因は?(水泳)
去年来てくれたHさんは水泳の選手です。中学生の時には全国大会で上位に入るくらいの実力を持っていました。
ところが高校生になり、伸び悩みます。いくら練習しても中学生の時の記録を更新できない。それどころか、タイムはどんどん落ちていく状況。高校1年生が終わり、2年生も終わり、3年生の最後の大会が近くなるも、一向にタイムが良くならない・・・。そんな中でいらっしゃいました。
お父さんも一緒にいらっしゃったのですが、「なんとかちょっとでもタイムを上げたい」と、藁にもすがる様子。
お父さんも気持ち的にきついでしょうけど、1番精神的にきついのは本人です。練習はしっかりしているのに3年近く自己ベストを更新できない状況では、モチベーションを保つのもきついのではないかと思います。
話を聞くと100mでのタイムが自己ベストより2秒も落ちているという状況。全国大会に出るレベルでは、0.1秒の差でも順位が変わります。そんな中で2秒という数字は、残酷なまでのタイム差です。
さてさて、実際に全身チェックすると、身体にかなりの歪みがありました。現状の歪みで起こる可能性がある症状を話すと、かなり当てはまっている様子。
具体的には、
・呼吸をしにくくなっている
・頭が浮き上がってこない
・足で水を蹴る時に自分が思っているよりも浅いところを蹴ってしまう
などなど。
なぜその症状が起こってしまうのか、どうすればそれが変化するのかを話し、施術に入りました。大会までの時間が限られていたので1回目の施術で出来ることは限られていました。その中で最大限の施術をして、迎えた大会当日。
中学生の時に出した自己ベストには届かなったものの、ほぼ自己ベストに近いタイム(自己ベストから0.1秒差)が出た、との事。
「高校生になってからの泳ぎの中ではベストの泳ぎができた」と本人もお父さんも大喜びの様子(^^)
「うおおぉぉぉぉー!良かったですねー!」とこちらも嬉しくなっちゃいました(^O^)
「これなら自己ベストも簡単に出そうですねー!」とその後も施術するものの、結果的に自己ベストに届かないまま終了。僕個人としても、自己ベストを出させてあげられなかった事が本当に悔しく心残りのある結果となりました。
その後数カ月経ち、久しぶりに来院されました。
僕が「自己ベスト出させてあげられなくてごめんね」と責任を感じていたのを伝えると、「いやいやいや、先生のせいじゃないです!むしろその後もスランプとは無縁で、感謝しているぐらいですよ!」とお父さんにもHさん本人にも言って頂けました。
それを聞いてホッと一安心したものの、やっぱり自己ベストをださせてあげられなかった事は僕の心残りです。
Hさんは水泳を辞めようかと思った時期もあったそうですが、大学で水泳を続ける事にしたそうです。タイムが伸びない時期が本当に苦しくて、「辞めようと何度も思った」との事でした。
それでも
・自己ベストに近いタイムが出た事
・その事で大学から推薦の話が出た事
などからモチベーションが上がってきて、水泳を続ける事を決断したそうです。
「もっともっと僕に力があればなー」と思う気持ちと、「それでもちょっとは役に立てたのかな」という2つの気持ちが同居する施術となりました。
まだまだ勉強しないといけないですね!(>_<)
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